やす先輩40代半ば、転職10回の管理職。上場もベンチャーもブラックも経験してきました。失敗も学びも交えながら、キャリアや働き方に悩むあなたへ“現実的な解決策”を届けます。
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「給料を上げてほしい」と思っても、どう伝えれば角が立たないか。多くの人がここで立ち止まります。
上司に話してもスルーされる、勇気を出して切り出したのに“タイミングが悪い”で流される。
そんな経験、ありませんか?
実は、給料交渉は“内容”より“言い方”で結果が変わる交渉です。
同じ実績でも、伝え方次第で「納得される提案」にも「扱いづらい要求」にもなる。
だからこそ、“お願い”ではなく“提案”として伝えるスキルが欠かせません。
この記事では、社内・転職・内定後の3つのケース別に、
上司や採用担当者に好印象で伝わる給料交渉の言い方・切り出し方・メール例文を詳しく解説します。
さらに、やす先輩自身が初めて給料交渉に挑戦した体験談から、
「どんな準備が結果を変えるのか」もリアルにお伝えします。
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給料交渉の言い方で結果が変わる理由
給料交渉は、「何を言うか」より「どう言うか」で9割決まる」と言っても過言ではありません。
同じ内容でも、伝え方ひとつで「納得される提案」にも、「扱いづらい要求」にもなります。
実は、給料を上げてもらえない人の多くは“能力がない”のではなく、“伝え方を誤っている”だけなのです。
本章では、交渉で失敗しやすい人の共通点と、成功に必要な3つのマインドセット、
そして実際に成果を上げた「提案型の伝え方」について詳しく解説します。
給料交渉がうまくいかない人の共通点
「頑張っているのに、給料は上がらない」。そう感じる人の多くに共通するのが、
「感情で話してしまう」「根拠が曖昧」「会社目線が抜けている」の3点です。
感情に頼っている
「生活が厳しい」「周りはもっともらっている」といった感情的な訴えは、
上司にとって“共感はできても判断材料にならない”内容です。
給料交渉は“同情”ではなく“納得”を引き出す場。冷静さが必要です。
根拠がないまま希望額だけを伝える
「あと3万円ほしい」「他社はもっと高い」と言っても、
それが妥当かどうかを示すデータや成果がなければ説得力は生まれません。
給料 値上げ 交渉 文例でも重要なのは、“成果と相場”の2軸で話すことです。
会社の立場を考えていない
「自分の努力」だけを語り、会社の業績・時期・方針を無視すると、
ただの一方的な主張に聞こえてしまいます。
上司は「あなたの希望」より「組織としてどう整合が取れるか」を見ています。



僕も最初は“頑張ってるのに”という気持ちで話していました。でも、それは交渉ではなく感想。数字と根拠に変えた瞬間、相手の態度が一気に変わりました。
「気まずさ」を超える3つのマインドセット
給料交渉は、誰にとっても少し“気まずい”テーマです。
でも、この「気まずさ」をどう乗り越えるかで結果が決まります。
ここでは、やす先輩が実践してきた3つのマインドセットを紹介します。
「評価をもらう場」ではなく「情報共有の場」と捉える
「上司にお願いする」と思うと緊張しますが、
「自分の成果を整理して共有する時間」と考えるだけで、心理的ハードルは下がります。
「上げてほしい」ではなく「どうすれば上がるか」を聞く
希望額を伝えるだけでなく、「今の基準を満たすには何が必要ですか?」と尋ねる。
この姿勢が“対立”ではなく“協働”の空気をつくります。
「交渉=特別なこと」ではなく「日常のキャリア対話」と捉える
昇給交渉は年1回ではなく、日常の1on1や面談で少しずつ進めるのが理想です。
突然の交渉よりも、「普段から成果を共有している人」が圧倒的に通りやすい。



給料交渉を“戦い”だと思うと緊張します。でも、“情報共有の延長”と思えば自然に話せます。
僕は“自分の貢献を会社の資産として説明する時間”と考えています。
給料交渉は「要求」ではなく「提案」として伝える
最も重要なのは、「要求」ではなく「提案」として話すことです。
同じ内容でも、言葉の角度を少し変えるだけで印象が180度変わります。
たとえば以下の2つを比べてみましょう。
✗ 悪い例:「もう少し給料を上げてもらえませんか?」
→ 感情ベースの“お願い”で、相手に“判断の責任”を押しつけてしまう。
◎ 良い例:「この半年で〇〇の改善を行い、売上に〇万円の貢献ができました。
今後さらに成果を拡大するために、職務範囲と報酬の見直しを一度ご相談できませんか?」
→ “成果の提示”+“今後の提案”という構成。上司に「考える余地」を与えます。
このように、給料交渉は「お願い」ではなく「共に考える提案」です。
相手を納得させようとするより、“一緒にどうすれば上げられるか”を設計する姿勢が大切です。
文例としては、以下のように整理するとスムーズです。
【提案型の交渉文例】
「〇〇のプロジェクトで□□%の改善を達成できました。
今後はさらに□□の領域でも成果を出していきたいと考えています。
そのためにも、次のステップとして報酬面を見直せるタイミングを一度ご相談させてください。」
「給料を上げてほしい」という言葉を“お願い”ではなく“次のステップの提案”に変えるだけで、
上司の反応は劇的に変わります。



交渉って、“通す技術”より“相手に考えさせる技術”なんですよね。
“上げてください”ではなく、“見直すタイミングを設けたい”と言うだけで、空気が柔らかくなります。
給料交渉の言い方【社内編】
社内での給料交渉は、外部との交渉よりもずっと繊細です。
なぜなら、相手が今後も関係を続ける“社内の上司”だからです。
一度の伝え方を誤ると「自己中心的」「扱いにくい」と誤解され、評価そのものに影響する可能性もあります。
しかし、正しいタイミングと伝え方を押さえれば、「印象を良くしながらしっかり昇給を勝ち取る」ことは可能です。
ここでは、上司が“聞く姿勢”を持つ瞬間の見極め方と、成果ベースで伝える実践的な言い方を紹介します。
タイミングと場の選び方。上司が聞く姿勢を持つ瞬間を狙う
給与交渉がうまくいくかどうかは、「何を言うか」より「いつ言うか」で決まると言っても過言ではありません。
特に社内では、上司が“話を受け止める余裕がある瞬間”を見極めることが重要です。
理想的なタイミング
- 人事評価の直前期(期末・半期):上司が部下の貢献を整理している時期。
- プロジェクト成功後/成果が可視化されたタイミング:具体的な実績をもとに交渉できる。
- 1on1や定例面談の終盤:雑談の流れで切り出すと自然。
- 上司が前向きに余裕を持っている日(会議後や週の後半など)。
避けるべきタイミング
- トラブル発生中・人事異動直後(上司が余裕を失っている)
- 同僚が昇給で揉めている時期(比較対象になりやすい)
- 期の途中(予算や評価枠が固まっていない)
切り出し方の例
「今期の成果について、次のステップに向けて一度ご相談したいことがあります。
少しお時間をいただけますか?」
このように、“給料”というワードをいきなり出すのではなく、
「今後のステップ」や「相談」という言葉をクッションにすることで、相手の防御反応を防げます。



“給料の話をしたい”といきなり言うと、上司の頭の中は“防衛モード”になります。
でも、“キャリアの方向性を相談したい”と伝えると、自然に耳を傾けてもらえるんです。
「お願い」ではなく「成果と貢献」で伝える言い方(例文付き)
給料交渉で最も大事なのは、「お願い」ではなく「成果と根拠」を伝えること。
上司にとっての“昇給の理由”は、感情ではなく成果です。
つまり、「給料を上げてほしい」ではなく、「自分の成果と貢献を共有したい」というスタンスで臨むのが鉄則です。
悪い例(お願い型)
「生活も厳しくなってきたので、給料を少し上げてもらえませんか?」
→ 感情的・個人的な事情に聞こえ、評価基準と結びつかない。
良い例(提案型)
「この半年で〇〇の改善に取り組み、売上に+〇%の貢献ができました。
来期はさらに□□の領域で成果を広げていきたいと考えています。
そのためにも、役割と報酬のバランスを一度ご相談させてください。」
このように、「過去の成果」+「未来の貢献」+「報酬見直しの提案」の三点構成が理想的です。
具体的な数字や行動を添えることで、上司は「評価会議で説明しやすい材料が揃っている」と感じます。



“お願い”ではなく“報告+相談”の形にしたら、上司のリアクションが全く違いました。
上げるかどうかを即決するのではなく、“考える”テーブルに乗せることが目的なんです。
メール・面談での給与交渉例文【現職 給与交渉】
給与交渉は、対面でもメールでも構成を守れば印象を崩さず伝えられます。
ここでは、社内で実際に使える「メール例文」と「面談の口頭例文」を紹介します。
【メール例文】(給与交渉 メール 上司)
件名:キャリアと成果についてご相談のお願い
〇〇部長
お疲れさまです。〇〇課の△△です。
この半年間の取り組み内容と成果を整理し、次のステップに向けてご相談させていただきたくご連絡しました。
主な取り組みは以下の通りです。
・〇〇プロジェクトにて売上〇%改善
・業務効率化による工数削減〇時間/月
・新人教育体制のマニュアル化を主導
これらの成果を踏まえ、今後さらに責任範囲を広げていく中で、
役割と報酬の見直しについてご意見をいただければと思っております。
ご多忙のところ恐縮ですが、1on1の際に10分ほどお時間を頂戴できないでしょうか。
よろしくお願いいたします。
△△(署名)
【面談時の会話例】(給与交渉 切り出し方)
「今期、自分の担当範囲で〇〇の改善に貢献できたと感じています。
今後さらに□□領域で責任を持って成果を出していくために、
報酬面についても一度ご相談させていただければと思います。」
このように、「成果→今後→相談」の順で話すことで、
上司も「根拠ある話」として受け止めやすくなります。
【やす先輩ワンポイントアドバイス】
- 「給料」という単語を初回では出さず、「報酬」「役割の見直し」などビジネスワードに置き換える。
- 事前に成果を箇条書き+数字で整理しておくと、会話がブレない。
- 「〇月の評価面談で正式に相談したい」と具体的な時期を添えると、交渉が流れに乗りやすい。



最初の一言で印象は決まります。“お願い”ではなく、“これまでの成果を整理したい”から始めるのがコツ。
交渉は、勇気より準備量。伝え方さえ整えば、誰でも堂々と話せます。
給料交渉の言い方【転職・内定後編】
転職・内定後の給料交渉は、「一度きりのチャンス」です。
社内交渉と違い、交渉の場は採用プロセスの一部であり、印象やマナーによっては「取り消し」「不採用」に繋がる可能性もあります。
しかし、逆に言えばこのタイミングを逃すと、年収レンジを大きく上げる機会はほとんど訪れません。
だからこそ、「言い方」と「根拠の出し方」が勝負です。
ここでは、転職時・内定後の2フェーズに分けて、プロが実践する年収交渉の考え方と文例を解説します。
転職時の年収交渉で意識すべき「市場基準」と「提示額の根拠」
転職時の年収交渉では、まず「市場基準」と「自分の提示根拠」をセットで伝えることが重要です。
多くの人が「希望年収〇〇万円」と数字だけを提示して失敗します。
採用担当者が納得するのは、「なぜその金額なのか」をロジカルに説明できる人です。
成功する交渉の3ステップ
- 市場基準を把握する(外部データ)
ミイダスやビズリーチのスカウト情報、求人票などで“同職種・同エリア”の年収相場を確認。
「相場を踏まえた上での希望額」と言えるだけで、説得力が倍増します。 - 自分の成果・スキルを定量化する(内部根拠)
例:「SEO改善でPVを40%向上」「CVR改善で年間売上+800万円」
“会社での成果”を“転職市場でのスキル”に翻訳することが大切です。 - 希望金額は幅を持たせる(交渉余地を残す)
「希望は年収〇〇〜〇〇万円を想定しています」
幅を示すことで、柔軟な印象を与えつつ上限ラインを保てます。
伝え方の例文
“根拠+相場+提案”の3点を整えることで、「交渉」ではなく「合意形成」に変わります。
「現職では〇〇領域の改善を担当し、成果として□□を達成しました。
同業種の市場相場や自分のスキルレベルを踏まえ、年収〇〇〜〇〇万円でご相談させていただければと思います。」



年収交渉は“金額を言う場”ではなく、“根拠を見せる場”。
データと成果が揃っていれば、相手は『この人は準備ができている』と一目でわかります。
内定後の給与交渉で失敗しない言い方(例文・メールテンプレ)
内定後の給与交渉は、最も神経を使うフェーズです。
企業側は採用コストをかけた後なので、「誠実さ」と「根拠」の両立が求められます。
ここで強気すぎる言い方をすると、「協調性がない」「金銭感覚が合わない」と判断されることも。
交渉の黄金ルール
- タイミング:内定承諾の「前」に行う
- 根拠:市場相場+自身の経験+職務範囲
- 姿勢:「お願い」ではなく「調整のご相談」
面談・メールでの伝え方
「このたび内定をいただきありがとうございます。
お話しいただいた条件について、ひとつご相談させてください。
現職での経験・成果(例:〇〇の改善・□□のプロジェクトリード)を踏まえ、
可能であれば年収を〇〇万円前後でご調整いただけないかご検討いただけますでしょうか。
御社の環境でさらに成果を出す意欲は強く持っております。」
このように、「感謝→根拠→相談→前向きな意欲」の順番で伝えると、角が立ちません。
メールテンプレート
件名:内定条件についてのご相談(△△:氏名)
〇〇株式会社 人事ご担当 △△様
お世話になっております。内定のご連絡、誠にありがとうございます。
大変光栄に思っております。
提示いただいた条件について、一点ご相談させてください。
これまで〇〇業務を中心に□□の成果を上げてまいりました。
市場相場および自分の経験を踏まえ、
年収〇〇万円前後でのご調整が可能でしたらご検討いただけますと幸いです。
もちろん、御社で長期的に貢献していく意志は変わりません。
ご多忙の中恐縮ですが、ご確認のほどよろしくお願いいたします。
△△(氏名)



“調整のお願い”という言葉がポイント。
交渉ではなく“相談”として伝えるだけで、相手の受け取り方がまったく違います。
内定取り消しを避ける交渉マナーとお礼メール例文
「内定後に給与交渉をしたら取り消されるのでは?」という不安を持つ人は多いでしょう。
結論から言うと、丁寧に進めれば取り消しリスクはほぼありません。
ただし、以下のNG行動を避ける必要があります。
取り消される可能性があるNG行動
- 内定承諾後に条件変更を要求する(契約違反扱いになる場合あり)
- 感情的・強気な物言い(「他社はもっと高いので」など)
- 相場や成果の裏付けがない金額提示
- メールで即決を迫る/返信を催促する
安全な進め方のポイント
- 承諾書提出前に相談(※最重要)
- まず感謝を伝えてから切り出す
- あくまで「相談ベース」で話す
- 条件を提示したら、再交渉は1回まで
お礼メール例文
件名:内定条件のご調整に関するお礼
〇〇株式会社 △△様
このたびは内定条件の件についてご調整いただき、誠にありがとうございます。
柔軟にご対応いただいたこと、心より感謝申し上げます。
今回のご配慮を無駄にせぬよう、早期に成果を出せるよう全力で努めてまいります。
改めて、今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
△△(氏名)



給料交渉で一番大事なのは“信頼を残すこと”。
一時の金額よりも、“この人と一緒に働きたい”と思わせる姿勢が、
結果的に最も高いリターンになります。
給料交渉で避けたいNGワードと失敗例
給料交渉は「言葉選び」ひとつで、相手の受け取り方が180度変わります。
とくに社内の上司や採用担当者との会話では、感情的な言葉や比較的発言が“マイナスの印象”として残りやすく、
どれだけ実績があっても、言い方次第で「評価が下がる」リスクがあります。
ここでは、実際の現場で誤解されやすいNGワードと失敗例をもとに、
「なぜNGなのか」「どう言い換えれば良いのか」を具体的に解説します。
「生活が厳しい」はNG。理由は“感情”ではなく“成果”で
給料交渉で最もよくある失敗が、「生活が厳しい」「家のローンが…」など、個人的な事情を持ち出すことです。
上司や人事にとって、それは「共感」できても「判断材料」にはなりません。
交渉は感情戦ではなく、“成果”と“貢献”の話であるべきだからです。
NG例
「物価も上がってきて生活が大変なので、給料を上げてほしいです。」
→ 悪気はなくても、“会社の責任ではない”話に聞こえてしまう。
OK例
「この1年間で〇〇の改善を担当し、業務効率を〇%上げることができました。
その成果を踏まえて、次のステップとして報酬面についてご相談させてください。」
→ “生活”ではなく、“価値”で話す。数字や貢献を軸にした伝え方は相手も納得しやすい。
上司は「会社への貢献」を基準に判断します。
だからこそ、感情ではなく成果で語る姿勢が信頼を生みます。



昔、“家の事情”で交渉したことがあるけど、反応は薄かった。
でも“成果ベース”で話したら、上司のメモを取る手が止まらなかった。数字は説得の共通言語です。
「他社はもっと高い」は逆効果になる理由
「他の会社ならもっともらえる」「友人は同じ仕事で年収〇〇万円」
これも多くの人がつい口にしてしまうNGワードです。
なぜなら、これは比較による“圧力”と受け取られやすく、相手の防御反応を強めてしまうからです。
企業側が求めるのは「他社との比較」ではなく「自社での再現性」です。
つまり、あなたのスキルが“今の職場でどう貢献できるか”を具体的に説明しない限り、説得材料にはなりません。
NG例
「同業のA社では、同じポジションで年収〇〇万円です。」
→ 比較論に持ち込むと、上司は「じゃあそちらへ」と心のシャッターを閉じてしまう。
OK例
「業界全体の相場を踏まえると、私のスキルセットはもう少し広い範囲に活かせると感じています。
今後、御社(またはこの部署)でさらに成果を上げるために、
報酬の見直しを一度ご相談できればと思います。」
同じ「相場」を話題にしても、“比較”ではなく“市場理解+今後の貢献”として話せば、印象は真逆になります。



『他社では〜』って言葉は、聞く側に“裏切られた感”を与える。
相場を話すなら、“自分の市場価値を踏まえて”という表現に変えるだけで印象が全く違います。
給料交渉で気まずくならないための伝え方リスト
給料交渉が“気まずい”“クビになるのでは”と感じる人も多いですが、
正しい話し方をすれば、むしろ「意欲的で前向きな社員」と評価されます。
ここでは、交渉をスムーズに進めるための気まずさ回避リストを紹介します。
【交渉前の準備】
- 成果・改善事例を3件書き出す(数字・事実で)
- 市場相場を1〜2サイトで確認(ミイダス/ビズリーチ)
- 「会社の状況」「自分の貢献」「希望」の3軸で話す練習をしておく
【交渉中の言い方ルール】
- 「ご相談」「お伺いしたい」というクッション言葉で始める
- 「給料」ではなく「報酬」「職責」「評価基準」という言葉を使う
- 感情や比較ではなく、“成果”と“今後の目標”で話す
- 否定された時は、「承知しました。そのために次は何を伸ばせば良いか教えてください」と返す
【交渉後のフォロー】
- 「話を聞いていただきありがとうございます」と一言お礼を伝える
- 改善点をもらった場合は、3か月後に実行+報告する
- 一度断られても、次期評価に向けた改善サイクルを回す
これを守るだけで、「気まずい交渉」ではなく「信頼を積むキャリア対話」へ変わります。



給料交渉は、単発の勝負じゃない。
“話せる関係をつくる場”だと思えば、気まずさは消える。
僕は“報酬を上げる交渉”じゃなく、“評価を高める対話”だと捉えています。
やす先輩の体験談:初めての給料交渉で学んだ「伝え方の重要性」
給料交渉は、言葉にするまでが一番難しい。
僕が初めて上司に「給料の話をしたい」と切り出すまでに、1か月以上かかりました。
“評価が下がるかも”“図々しいと思われたらどうしよう”という不安で、
何度もタイミングを逃したのを今でも覚えています。
けれど、勇気を出して「言い方」を変えたことで、
ただの“お願い”が“提案”に変わり、上司の反応も大きく変わりました。
この経験が、僕にとって「伝え方の大切さ」を心底実感した瞬間です。
当時の状況:上司にどう伝えるか悩んで1か月保留した
当時の僕は、入社3年目。プロジェクトの成果も出し、後輩育成も任されていました。
「そろそろ昇給してもおかしくない」と思いつつも、
“どう伝えれば角が立たないか”ばかり考えて行動できずにいました。
何度か上司の前で切り出そうとしても、「今は忙しそうだ」「タイミングじゃない」と自分に言い訳。
結局、気づけば1か月が過ぎていました。
心のどこかで、「努力していれば分かってくれるはず」と信じていたんです。
でも現実は違いました。評価面談では、“特に変わりなし”の一言。
その瞬間、“言わなければ伝わらない”という現実に気づきました。



“お願い”だと受け流される。でも“貢献の対価としての提案”に変えたら、空気が変わりました。
感じたこと:沈黙と遠慮は評価されない
の経験で痛感したのは、沈黙は評価されないということです。
上司は忙しい。日々のタスクやチーム全体の管理で、
一人ひとりの努力を細かく把握できる余裕はありません。
つまり、「伝えない=満足している」と判断されてしまう。
僕は、自分の努力を“伝えないことで無かったこと”にしていたのです。
「黙っていても分かってもらえる」は幻想。
キャリアの世界では、自己主張ではなく自己発信が必要だと気づきました。



上司は忙しい。伝えない=満足してると思われるんです。
行動:成果を数値化し、面談資料を自作
翌月、僕は1枚のA4資料を作りました。
タイトルは「今期の成果と来期の目標」。
箇条書きで、やったこと・成果・改善提案をまとめました。
例:
- 新規SEO施策でPV+42%増加
- 成果報告テンプレート導入で作業時間を月30時間削減
- チーム会議のファシリテーション担当としてメンバーの発言率+30%
資料を渡しながら、「報酬の話をしたい」ではなく、
「成果を共有した上で、今後どういう形で貢献できるか相談したい」と伝えました。
数字で語るだけで、会話のトーンが変わる。上司が真剣にメモを取り始めたのを見て、
“準備が交渉の半分を決める”と実感しました。



『PV〇%増』『コスト削減〇万円』など、数字で語るだけで説得力が変わりました。
結果:昇給+評価面談の機会が増えた
その面談で、すぐに昇給が決まったわけではありません。
でも、上司から出た言葉は、「来期の評価基準を一緒に明確にしよう」でした。
それ以降、僕は四半期ごとにミニ面談を設けてもらえるようになり、
半年後の昇給にもつながりました。
さらに、上司から「チーム内の給与バランスを整える参考にしたい」と言われ、
僕の資料が他メンバーの評価制度改善にも使われたのです。
伝える努力は、自分だけでなくチームも変える力がある。



言い方ひとつで扱われ方が変わる。伝え方も仕事のスキルの一部です。
学び:給料交渉は“自己主張”ではなく“共通理解”の場
この経験で学んだ最大の教訓は、給料交渉は戦いではなく“共通理解”の場だということ。
「自分を認めてほしい」ではなく、「どうすればもっと貢献できるか」を一緒に考える時間。
その姿勢があるだけで、交渉は対立から協働へと変わります。
今では、部下から給料の相談を受けても、“勇気を出した行動”として歓迎しています。
むしろ、何も言わない部下のほうが心配になるくらいです。
伝えることは主張ではなく、信頼関係を深める手段。
それが、僕の“初めての給料交渉”が教えてくれた一番の学びでした。



上司を敵にせず、“一緒に考えてもらう”姿勢が一番通じる。これが本当の交渉力です。
この体験を通して感じたのは、
給料交渉とは“お金の話”ではなく、“信頼の話”だということ。
相手にどう映るかを意識し、冷静に準備する。
それができる人こそ、キャリアを主体的に築ける人です。
あなたの交渉は「お願い」になっていないか?
給料の話が「お願い」に聞こえるか、「提案」に聞こえるかで、結果は大きく変わります。
下のチェックを使って、自分の交渉の“型”を点検しましょう。各項目には、即修正できる言い換えテンプレも添えました。
成果を伝えず「がんばってる」で押していないか
お願い型の口癖:「最近かなり頑張っているので、給料上げてほしいです」
提案型の言い換え:
- 「直近6カ月でA指標が+28%、Bコストを月15時間削減しました。来期はC領域まで拡張したいので、役割と報酬の見直しをご相談できますか。」ポイント:成果は“事実+数字+再現性”。「頑張り」は伝えるのでなく、示す。
タイミングを誤って感情的に伝えていないか
ありがちNG:トラブル対応直後や上司が多忙な直前に切り出す
是正フロー:
- 期末・半期の評価直前、またはプロジェクト成功直後に仮押さえ
- 1on1の議題として事前に合意(カレンダー招待のメモに「成果共有と次期の役割・報酬相談」)
- 当日は「結論→根拠→提案」の順で5分に要約
ワンフレーズ:
「評価前に、成果の棚卸しと次期の役割・報酬について10分だけご相談させてください。」
上司の立場や社内事情を無視していないか
お願い型の落とし穴:「上げてください」で上司に“即断即決”を迫る
提案型の運び方:
- 「部の予算や全体のバランスがある前提は理解しています。その上で、評価会議で説明しやすい材料として、下記3点を共有します。」
材料の型: - 影響範囲(売上・コスト・品質・採用/育成)
- 他部署の協働実績(再現性)
- 来期コミット(数値とマイルストーン)
上司が社長や人事へ説明する“台本”を渡す意識で。
根拠より感情で話していないか
自己点検の4問:
- 金額の根拠は「相場+自分の成果+今後の責任範囲」で語れるか
- 事実ログ(定量・定性)を1枚に要約しているか
- 反論への応答文を用意しているか(例:「現状難しい」への返し)
- 代替案(時期・役割変更・インセン区分)を持っているか
反論対応テンプレ:
- 「現状難しい」→「承知しました。次回評価で基準を満たすために、どの指標をどれだけ達成すればよいか具体条件を教えてください。中間レビューを3カ月後にいただけると助かります。」
- 「予算がない」→「では役割拡張(プロジェクト責任者化)とセットで四半期インセンの選択肢は検討可能でしょうか。」
ミニワーク:30分で「お願い」→「提案」に変える台本
- 5分:成果の事実集め(Before→Action→After→再現性)を3件
- 10分:次期コミット(数値目標と施策)を2件
- 10分:上司の説明台本を作る(見出し:要点/根拠/影響/リスク低減)
- 5分:冒頭30秒スクリプトを練習
「本日は成果共有と来期コミットの確認、その前提として役割と報酬の見直しのご相談です。」
ミニチェックリスト
- 数字で語ったか
- タイミングは評価前/成功後か
- 上司の説明台本を渡したか
- 代替案を提示したか
- 次のレビュー日程を決めたか



“お願い”は受け流されるけど、“提案”は検討される。相手が説明しやすい材料を渡す。それが最短ルートです。
市場基準の更新(外の物差しを持つ)
ビズリーチでスカウトを受けてみると、自分の年収が市場でどう評価されるかが分かります。
「社内の交渉」も「転職判断」も、まずは市場基準を知ることから。
社内の会話で迷ったら、社外の評価で“立ち位置”を整えるのが近道です。
まとめ
給料交渉は、“勇気”より“準備”がすべてです。
言葉を選ぶ力がある人ほど、冷静に、そして戦略的に評価を引き出しています。
「上げてほしい」と感情で伝えるのではなく、
「これだけ貢献している」「今後さらに伸ばしていきたい」という“未来志向”で語る。
それだけで、上司や人事の受け取り方は大きく変わります。
成果を整理し、タイミングを見極め、相手の立場を理解して話す。
その一つひとつの準備が、あなたのキャリアを自ら動かす力になります。
給料交渉は、わがままでも自己主張でもありません。
それは、「自分と組織がどう成長していけるか」を話し合う対話の場です。



伝え方を変えた瞬間、扱われ方も変わる。
給料交渉って、“評価されたい人”から“信頼される人”になるチャンスなんです。
「不満をぶつける」ではなく、
「一緒に成果を高めたい」という姿勢こそが、最も効果的な交渉の言葉。
誠実に準備した交渉は、必ずあなたの次のステージを引き寄せます。
よくある質問
- 給料交渉ってどのタイミングで切り出せばいい?
-
最適なのは、評価前・期首面談・プロジェクト完了直後など、上司が“次期予算”や“評価基準”を考えているタイミングです。突然話を持ちかけると、上司に「準備がない」と構えられてしまうため避けましょう。
あらかじめ「今期の成果を共有したい」と伝えておくと、自然に話を進められます。 - 上司に直接言いにくい場合は?
-
メールで事前に「面談の機会をお願いする」のがベストです。
直接言う勇気が出ないときは、“相談”という言葉をクッションに使うと印象が柔らかくなります。
本文の【社内編】に紹介したメール例文のように、
「今後のキャリアの方向性についてご相談したい」という形で切り出すのが自然です。 - 転職時に希望年収をどう伝えればいい?
-
「現職での成果」+「市場水準」+「希望理由」の三点セットが基本です。
たとえば、
「現職では〇〇の改善で□□%の成果を出しました。
同業種の市場相場と自分の経験を踏まえ、年収〇〇万円前後を希望しております。」
という形なら、主張ではなく合理的な提案として受け取ってもらえます。 - 内定後に給与交渉をして取り消されることはある?
-
条件交渉そのもので取り消されるケースは稀です。
ただし、強気な態度や感情的な言い方をすると「協調性がない」と誤解される可能性があります。
必ず「感謝→根拠→相談→意欲」の順で伝えるようにしましょう。
内定後の交渉は、“交渉”というより“最終確認”の意識で臨むのが安全です。 - 交渉の準備で一番大事なのは?
-
最も重要なのは、「数字で語れる材料を持つ」ことです。
ミイダスなどで市場価値を可視化し、自分のスキルや年収の客観的な相場を把握しておくことで、
感情ではなく根拠で話せるようになります。
交渉は勇気ではなく“情報戦”。事前の準備がすべてを決めます。

